「瞳 色」あとがき
TOPルネサンスの風

この小説を書いた当時、まだパソコンを使っていませんでした。
原稿はB5の感熱紙に印刷していました。
当時の原稿はすでに色あせて、さすがに感熱紙、文字が薄くなっています。
書式は24文字×21行、それを2段組にして1枚。
「瞳 色」「金色の風」「金色の海がある」の原稿は合計で85枚くらいだと思います。

自分の原稿をまじまじと読み返すことなどこれまでなかったので、
今回久々に過去の原稿を整頓しました。
読み返してまず思ったことは、ヘタすぎる……。
誤字脱字はまだしも、まとまっていないし、
何を言いたいセンテンスなのか段落なのか?
全体のテーマはなんだっけ?

ふと思い出しました。
「書きたいシーン」がはじめにあって、
そのシーンを書くためだけに後付けで物語をつなげて書いていたことを。
……きっとあの頃は、それで満足だったものと思います。

今回HP作成しよう! と思い立ったときに、
この「瞳 色」を原稿そのままにのせようと思っていました。
が、これではあまりにあまりにあまりに、酷い。


できるだけ当時の、構成力のなさ・文章力のなさ・知識のなさを残しつつ、
改めて打ち込みながら、大筋を変えずに書きなおしました。
当時の「ルネサンスの風」をお持ちの方、ご覧いただいたことがある方には、
本当に申し訳なく思います。
……ほとんどいらっしゃらないとは思われますが。


それにしても、どことなく時代を感じさせる、ツールが随所にありました。
それを敢えて現在ならばどうなるか、代替しています。
分かりやすいところでは「公衆電話」→「携帯電話」。
高校生が携帯電話持っていないって、……。

書いていた当時はまだ、携帯電話よりもPHSでした。
北国の海辺の、それほど大きくない町。
それよりも内陸にある、地方中核都市。
という設定だったので、PHSの電波が届かないイメージが、
書いていた頃はあったのではないかと思われます。


人間というものは影響を受けやすいものなようで、
文章表現のあちこちに、その頃読んでいた・見ていた・聞いていた、
小説や漫画、音楽の表現・言い回しを借りたものが、たくさんありました。
それも今ならほかの言葉に置き換えられる、と思って、
ところどころ直しましたが、そのままにしている部分もあります。

ここまでやると、違う物語だなぁ……。



記憶をたどれば、シリーズのつもりで書き始めたように思います。
もう2〜3話、プロットがあったはずですが、どうしても見つからず。
きっとまた、書きたいシーンだけ書き殴って、そのまま紛失したのだと思います。

その中の一部の書き出しだけが、自室から発掘されました。
……機会があれば、現在の文章力でどう書き綴るのか挑戦したいような、やめたいような。


試験勉強の最中にこそこそとワープロに向かっていたのも、よい思い出。
成績が悪かったのは、決してそのせいではありません(爆



こんなよくわからない・ヘタな文章を、
根気よく目に通してくださった方々に深く感謝致します。



                            真澄 涼   20081023