NOTE BOOK
TOPルネサンスの風




白き、青き陽よ、目に染む緑よ
そんな言葉は知っていたさ 「未来はわからない」 今の自分が進んだ先が プラスかマイナスが それくらいだけは わかるつもりさ 乱暴にベッドに倒れこんだ 閉じた瞳を再び開けた先に ぐるりと回った視線は逆さになった窓 そして青が白が・・・緑が染みた 陽射が照り返した ささいな枠組みを 越えた向こうに優しさがやわらかく プラスもマイナスもなく求めることを止める 営みを一途に肯定する強さを知るもの ああ、目の前にあるじゃないか 流れていく雲は 流されてはいない 空の青をより広げるように そして陽射は木の緑を伝えるために 強い、優しさをみた そんな言葉くらい聞いていたさ 「風が気持ちいいだろう?」 そんな意味をやっと知った 自分を位置づけることで強くなれるなら 情けないくらい肯定してもいいのだろう 流されず頬に優しさを知るときに 背伸びをした 深呼吸も いままでよりもずっと 気分がよかった ・・・窓を開けてみようか・・・
小 路
両側いっぱいに 木々 枝に積もったままに 雪 ふと 風もなく 枝の雪が 地球に負ける 誰もいないのに 笑った・・・ 雪を踏みしめる しまった音がキュッと鳴る 忘れていたけれど、 小路をゆく。
冬の海
ほろほろ 落ちる つぶて 舐めるように 世界を埋め尽くして かさこそ 落葉 枯葉 やがて沈むように 白銀の大海 深海魚は凍りつき いづれすべてが 滑り尽くして 忘れたように 萌黄の重ねを 羽織るだろう
ブラック
沈む心地に 冬の晴れ間 少し落ち着く ストーブも 温もり遠く かなわない 進まぬ コーヒーを飲み 落ち着きもせず 人の温もり 苦きブラック
足 跡
新雪の草原も 足跡を ひとりで残す 怖さ 何もなかったように また 雪が、積もる 振り返る 何もない 歩いた道も それなりに生きて来た つもり、だけど そんなに 長く、生きてないから たいしたことも ないんだろう 誰かが言った「大人」に、誰か出会ったことがあったのか ただ「何か」を失くした誰かが、大きくなった 心の奥、熱い気持ち 無限の細かさ カラダ 作る細胞 原子 その奥底から 沸き起こる果てない「何か」 ・・・何処へ行った? 廃線のレール 足跡を ひとりで聞く 怖さ 何もなかったように 今は 草が、生える 振り返る 振り返る 振り返る ただ、振り返る この 生きて来た道
無 題
焦がすような 灰色が 降る 暗澹たる心地に 応えて 焦りは 乗り越えた たぶん ひとりで 泳いで 航跡は見えない 生臭い 泥が もうすぐ 追ってくる だからまた 人込みをかきわける